【時間栄養学】なんて言葉を聞いたことはありますか?
時間栄養学とは「何を」「どれだけ」に加えて「いつ食べるか」を考慮した新しい栄養学です。「栄養学」と聞くと、ちょっと難しい感じがしますが、私たちが食べている食事のことです。
今回は『いつ』食べたらいいかという時間の考え方を取り入れた【時間栄養学】をご紹介します。
1.体内時計とは
私たちの脳や体には1日のリズムを作り出す「体内時計」が存在しています。主時計は脳にあり、副時計は全身に存在する多くの細胞の中にあります。これらの時計は1日24.5時間の周期で動いており、これを1日24時間の周期に合わせるために光と食事で日々リセットしています。
2.「光の刺激」と「食事の刺激」が体内時計をリセット
自分の体にある体内時計のズレをリセットするには「光の刺激」と「食事の刺激」が必要になります。
「光の刺激」は太陽の光が目の網膜に入ると脳に伝わり、朝だと認識します。脳が「朝になった」と認識すると、全身の組織に対して「各自の体内時計をリセットせよ」と指令を出します。
「食事の刺激」は食事をすることによって胃、肝臓、皮膚、血管などすべての細胞に対し、「体内時計をリセットして下さい」という指令が直接各器官に伝わるようなイメージです。
3.体内時計に合わせた食事の摂り方
①朝食はやっぱり大事
朝食を抜いて1日の最初の食事がランチになってしまうと、主時計と副時計がズレて「体内時差ボケ」が起こります。これが日中なのにボーッとしたり、変な時間にお腹が空いてしまったり、夜なのに目が冴えて眠れないといったことを引き起こします。なるべく起床してから1時間以内に摂取しましょう。
②食事の量は「朝食:昼食:夕食=4:3:4」の割合で
体内時計の働きで、私たちの体は夕食に食べたものを体に脂肪として蓄えるようになっています。そのため夕食の量が多い人は太りやすく、体内時計が乱れ夜型になりがちです。多くの人の食事比率が「朝食:昼食:夕食=2:3:5」となっているため、せめて「朝食:昼食:夕食=3:3:4」になるようを心がけて食事をしましょう。
③1日の食事は12時間以内に
朝食から夕食までを12時間以内に収め、夕食から翌日の朝食まで10時間以上空けることで体内時計は乱れにくく、規則正しく朝食を摂ることで内臓が眠りから覚めて効果的に活動を始めてくれます。
4.さいごに
今回ご紹介した「時間栄養学」は、特別に目新しいものはひとつもありません。太陽の光など自然と共生しながら体内時計を正しくリセットし、まだまだ続く暑い日を健康的に過ごしていきましょう。