7月は天気の優れない日々が続きましたが、8月はいよいよ夏本番となります。
暑い夏にはさっぱりとしたフルーツが食べたくなりませんか?
今回はフルーツについて少しお話しようと思います。
【フルーツの旬】
近年、フルーツは年間を通じて供給されるものが多いですが、本来「旬」という出盛り期と、物事の入れ替わり時期のある季節食品です。年中出回っているフルーツでも、季節や栽培法・貯蔵方法により、成分や味に違いがみられます。また、在来のフルーツに加えて海外から様々な品種が導入され、種類も豊富になってきています。
年中…バナナ
主として春…いちご
主として夏…もも、ぶどう、メロン、すいか、さくらんぼ
主として秋…なし、柿、いちじく
主として冬…みかん
【フルーツの栄養素】
フルーツは、水分を多く含みエネルギーやたんぱく質の給源とはなりませんが、ビタミン(A・B・Cなど)や、カリウム、カルシウムが多く含まれます。また、ペクチン、セルロースのような食物繊維の給源として期待されています。
フルーツはポリフェノールオキシターゼという酵素を含んでおり、空気中の酸素により容易に褐変します。この酵素による褐変を防ぐには、①切った後すぐ水に浸ける、②塩水に浸ける、③酢水に浸けるなどの方法があります。例えばりんごの場合皮をむいた後に褐変するため、塩水に浸けたり、レモン汁をかけたりすると綺麗な色を保つことができます。
パパイヤ、パインアップル、キウイフルーツなどにはプロテアーゼという酵素が含まれ、これらを肉料理の下処理に使うことにより、肉を軟らかくすることができます。逆に、ゼラチンゼリーを作るときに加えると固まらなくなるので、果汁を加熱することで酵素の機能を失わせてからゼラチン液に加えるとよいでしょう。
【フルーツの鮮度】
フルーツは収穫後も、呼吸・蒸散などの生理作用を営んでおり、追熟していきます。次第に衰えしぼみ、色は変化して品質が劣化してしまいます。低温に保存すると生理作用を抑えますが、なかには熱帯が原産地のフルーツなど、低温障害をおこすものがあります。いずれにしても、購入後は速やかに使用することが望ましいです。
※低温障害…多くのフルーツでは品質を保持するために低温で保存することが効果的ですが、一定以下の温度で貯蔵すると生理障害を引き起こすものもあります。これを低温障害といいます。
※追熟…収穫後に成熟することを追熟といいます。追熟に伴い、色素の合成、香り、肉質の変化、糖の増加など急激な変化が起きます。
食後のデザートや間食においしく彩り鮮やかなフルーツを取り入れ、水分やビタミン、食物繊維を補給しましょう!