なめらか食(摂食・嚥下調整食)
より喜ばれる食事の提供を・・・
医療や福祉の現場では、細かく刻んだり、ミキサーにかけたりした食事を摂食・嚥下調整食として提供されていました。ドロッとした食事は見た目も悪く食欲がわきません。
そんな時、新しく改良されたゲル化剤と出会ったのです。ゼラチンのように固まる凝固剤なのですが、そのゲル化剤で固めたものは60℃まで温めても溶けないのです。(ゼラチンで固めたものは常温で溶ける)
「おもしろい。これは工夫次第でミキサー食を変えることができる。」手付かずだった嚥下障害食に取り組むきっかけとなったのです。嚥下障害食であるためには、下に示した条件を満たさなければなりません。さらに私たちは、ある項目を追加しました目で見て献立が分かり、食欲の湧くもの。温かい料理は温かく提供するそして完成したのがなめらか食なのです。
かに玉
筑前煮
摂食・嚥下調整食
疾病や老化などの原因により、飲食物の咀嚼や飲み込みが困難になった方は、普通の食事を摂るのが非常に難しくなります。そういう方のために食物の形状を変えて、食べやすく工夫した食事を摂食・嚥下調整食といいます。
摂食・嚥下調整食の条件
- 密度が均一である(味噌汁など、固形物と液体が混在したものは不適当)
- 口の中で食べ物がまとまり、ばらつきにくい(凝集性)
- べたつきがない(付着性)
- 舌と上顎で押しつぶせる硬さ
- 口腔や咽頭を通過する時に変形しやすい
※写真はハンバーグ・春雨の和え物
(左:普通食 右:なめらか食)
嚥下障害食の作り方
料理を食材別にミキサーにかける。
ゲル化剤の分量(食材によって割合が違う)を加える。
一定温度まで加熱する。
ラップや型抜きを使い流し入れる。
冷やし固める。
食材を切り分ける。
元の料理に近づくように、たれを塗ったりして盛りつける。
バーナーで焼き目をつけたり、より普通食に見えるように工夫する。
60度まで温めて提供する。
真空・クックチル調理を導入しています
食材と調味料を専用の袋で真空パックして、科学的根拠に基づいた温度帯で加熱する調理方法。食材の栄養素が逃げずに、酸化しません。
一番のメリットは、食材が軟らかくなるので、高齢者にやさしい食事になります。