20年に一度の思い出

特別養護老人ホームグレイスフル上松、デイサービスセンターグレイスフル日義を兼務してる施設長の北田です。
特別養護老人ホーム グレイスフル上松は木曽郡上松町にあり
今年は上松町で大イベントとして開催された20年に一度開催される重要な神事である「式年遷宮」に向け、ご神体を納める器に使う木材を伐採する祭事「御杣初祭」が6月3日から木曽谷国有林で行われました。
このお祭りでは、伊勢神宮に奉納する御神木を切り倒す「御用材伐採式」が行われその後奉祝行事として「お木曳き」などの行事が執り行われます。
花火大会は、御神木祭に合わせて6月5日に開催され、谷にこだまする反響音が特徴的で「音を観る」とも言われています。
6月4日は奉祝行事が執り行われるため、上松町のいたるところで通行止めになっていましたが、お木曳祭はあいにく雨に見舞われ寒い中見学していた上松中学の生徒や小学6年生の児童たちは神事のため、傘を差すことができずカッパを着て見学していました。木が倒れるまでは、様々な儀式を一つ一つ行いながら進めていくので、すぐに切り倒すことができません。3方向からおのを打ちこむ伝統技法「三つ緒伐り」で樹齢300年のひのき2本を1時間かけて切倒しましたが、あいにくの雨で体調不良者も出たため、最後まで見ることができなかったようです。20年に一度のこの奉祝行事は、対象学年でなければ参加することができないので、本当に幸運の持ち主だけが見ることができる神事です。
神事のライブ中継を利用者様と一緒に見ていたら、利用者様から「自分の父親がずっと切ってたよ」などと昔を思い出してお話してくださる方もいらっしゃいました。私も実際に見たのは今回が初めてです。この瞬間を利用者様とご一緒させていただくことができてとても感激です。
奉納する木を倒すには、本番を迎えるまでに何回も木を倒す練習をするのだそうです。また20年後に御用材伐採式を継承する方もこの式に今回携わり、次の世代へと引き継いでいくのです。伊勢神宮に奉納するために、今まで木曽ひのきを多くの人の手で数百年の間守られ続け、その日を迎えることができたことを思うと考え深いものがあります。
木曽に暮らすものとして、自然に感謝し、自然と共に大切に暮らしていくことがこのような御神木祭を継承していけるのだと思います。私も自分のできることを子供たちに伝えていきたいと思います。
お木曳きは施設の近くまで来たので、お昼時ではありましたがご希望される利用者様には職員が付き添い見学することができてとても感激されていました。手を合わせて見守る利用者様もいらして、一緒に観ることができた職員の笑顔も印象的でした。利用者様に20年に一度のお木曳きをご覧いただきたいという熱い想いが、利用者様にも伝わり忘れられない1日でした。
遠方からこの行事に参加した方も大勢見えて上松町はいつにない賑わいを見せていました。
「皆様、遠方よりご苦労様でした。」