利用者様の笑顔に支えられて・・・
長野エリア 社会福祉法人サン・ビジョン 第2グレイスフル辰野 特定施設入居者生活介護にて、生活相談員に従事しております大槻と申します。
特定施設入居者生活介護の施設は、長野エリアでは1事業所のみとなっております。
皆さんは有料老人ホームという言葉は聞いたことはあるかと思いますが、特定施設入居者生活介護という言葉はあまり聞いたことがないかもしれません。
ここで、少しご説明をさせていただきたいと思います。
特定施設入居者生活介護とは、有料老人ホームその他、厚生労働省令で定める施設に入所している要介護者に、特定施設が提供するサービス内容等を計画し、その計画に基づき提供する介護サービスをいいます。
私の所属する第2グレイスフル辰野特定施設は「介護付き有料老人ホーム」にあたります。
介護付き有料老人ホームとは、特定施設入居者生活介護に指定された、介護サービスを義務づけられた有料老人ホームのことです。要介護者3人に対し、介護スタッフを1人以上配置する必要があります。
このような特定施設で勤務をさせていただいています。
現在、24名の方が入居されており、平均年齢は、87才です。要介護1~要介護4の利用者様がおられます。3月に誕生日を迎えて100才になられた女性の利用者様もいらっしゃいます。その方もお元気に過ごしておられ、日々利用者様の笑顔を見ることができるのが一番だと感じます。
相談員の業務の内容については、他相談員のブログを参照していただくこととして、今回のブログの内容は、私が今、皆さんにお伝えしたいこと・・・。
そう考えた時に、すぐに思い浮かんだことは、利用者様のA様のことです。
A様は、昨年の12月に入居されたばかりの女性の利用者様です。A様は、趣味で花道をされていました。花道の師範をされ、生徒さんも何人も持っておられたそうです。花道の研究会に参加されたり、花展にも作品を出しておられたとお聞きしています。
昨年自宅で過ごされている際、転倒し、右腕を骨折され、そのため今も思うように右手を動かすことは難しい状態です。
施設の生活の中でも、利用者様の活躍できる場の提供をさせていただいています。
その中でA様もご本人にしかできないことを役割として、行われていることがあります。
それは、月1回の生け花をしていただくことです。
入居時に、娘さんが「母の好きなお花を生けたり、縫い物をしたり、楽しみを持って生活をしてほしい」と言われていました。
職員と一緒に花屋に行き、ご本人に直接、季節の花を選んでいただくようにお願いをしています。花を選んでいる時点で、A様の頭の中で、花を生けた後の作品の構想は出来ているようです。素人の私からすると、全くの未知の世界です・・・。
毎回、素敵な生け花の作品が出来上がります。毎日の生活の中で、お好きな花を生けている時、作品が出来上がった時は、ご本人の素敵な笑顔を多くみることができます。
ご本人の口癖が「30年もやってきたんだもの。」と。
そう仰るご本人は自信と笑顔にあふれています。A様の笑顔を見られた時は、私も嬉しくなります。
体が思うように動かなくなっても、今まで積み重ねてこられた経験や知識は変わることはありません。
生けていただいたお花の作品は事務所玄関に置かせていただき、大勢の皆さんに見ていただけるようにしています。
誰でも、家庭や職場、地域などで人それぞれに、大小様々ですが役割を持って生活をしています。
ご本人の生活の場所が変わっても、楽しみや役割が継続できるように、昔活躍されていた頃と同じような笑顔が見られるようにと、私たちがお手伝いできればと思い、日々業務を行っています。
福祉、介護の現場は、大変な面もあるかもしれませんが、利用者様の笑顔を見られた時は、モチベーションもあがります。利用者様から元気をいただくこともあります。
私も利用者様方の笑顔を見ることができ、それが嬉しくてこの仕事を続けていられるのだと思います。
利用者様の活躍を様々な職種が集まり、支えていくことが出来る場所があります。
介護や福祉の仕事に興味をお持ちの方が、この拙い文章を見て、福祉の道を少しでも考えていただけたら幸いです。
まとまりのない文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回の担当は、私が色々と頼らせていただいている村田相談員です。
宜しくお願いします。