イソップ童話【三人のレンガ職人】
私は今、長野エリアの採用担当をさせていただき、塩尻駅徒歩1分にあるグレイスフル塩尻で会社説明会などを開催させていただいております。
その中で、とある職員さんが「介護は、作業じゃないと思うんです。」と伝えてくれました。
なぜ働くのか?
そのやりがいは?
とても大事なことを教えていただいているように感じました。そこから思い出したイソップ童話の話がありますので、紹介させていただきます。
【三人のレンガ職人】
昔々、ある町外れの道を旅人が歩いていると、一人の男がぶ然とした表情で、レンガを積んでいるのでした。
旅人が、男に向かって「何をしているのですか?」と尋ねると男は、
「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだ。俺は、朝から晩までレンガを積まなければならないんだ。年から年中、朝から晩までレンガ積みだ。こんなきつくてつまらない仕事、本当は辞めてしまいたいよ」
とぶっきらぼうに答えた。旅人は、「そうですか。大変ですね」と男をねぎらって、歩き始めた。
旅人が少し歩くと、別の男がせっせとレンガ積みをしていた。
旅人が、男に向かって、「いったい何をしているのですか?」と尋ねるとその男は、
「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事なんだ」と答えた。
旅人が「大変ですね」といたわりの言葉をかけると、男は、
「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べいくことに困らない。仕事があるだけありがたいよ」
と少し微笑みながら答えた。旅人は、男に励ましの言葉を残して、歩き続けた。
また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるので旅人が、その男に向かって、
「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねると、男は、嬉しそうに言った。
「俺はね、レンガを積んで大聖堂(教会)を造っているんだ!」
旅人が「大変ですね」といたわりの言葉をかけた。
すると男は、旅人に向かって満面の笑みを浮かべ、両手を広げながら自信満々に言った。
「とんでもない!この教会で多くの人が未来に祈りを捧げ、時には過去の罪を悔い改める。結婚式をあげる人だっているんだ。私は人の未来をつくっているんだよ。」
旅人は、ねぎらいの言葉をかけて、元気いっぱいに歩き始めました。
「介護は作業じゃない」この言葉に心はずむ、自然と笑顔になれます。多くの学生の皆様との出会いがありますが、どの仕事に就かれたとしても仕事の先にある意義を持っていただけたらなぁと思っています。(もちろん私自身も含めて)文責 山本