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終末期ケアについて思うこと

 

ジョイフル江南施設ケアマネの平田です。今回が2回目の投稿になります。
今回は終末期のケアについて思う事を書きたいと思います。
ジョイフル江南のような特別養護老人ホームで行われる終末期ケアを「看取り介護」、病院や老人保健施設で行われるケアを「ターミナルケア」と言います。

私は今年二人の母を亡くしました。一人は病院で、もう一人は在宅での最期でした。
実母は、まだ治療法も確立していない希少癌で、9か月間、入退院を繰り返しながら、抗がん剤の治療を受けました。家族に迷惑をかけないようにと、病と闘いながら前向きに生きていました。母は発症直前まで幼稚園に勤めており、折り紙や壁面飾り作りが得意でした。入院の度に幼児の好きなキャラクターを折り紙で作り、子供のいる病棟スタッフにプレゼントすることを楽しみにしていました。また、入院する時は、「ただいま」とスタッフに言うぐらい、病院が生活の場になっていました。
入院中、抗がん剤が使用できない状況になり、緩和ケア病棟に移ることを打診された時、ふと、施設で看取り介護を希望されたご家族の言葉を思い出しました。

「母のことをよく知ってくださっている職員さんや、お友達と一緒の方か母も幸せだと思うので、施設で最後までお願いします。」

私は母が9か月お世話になった内科病棟の看護師さんや先生方、薬剤師さんやお掃除のおばちゃん、母のことを知ってくださっている病棟スタッフに囲まれていた方が安心できるのではないかと、施設利用者ご家族と同じ気持ちになりました。
そして、「一般病棟で緩和ケア病棟のようなターミナルケアは難しいかもしれないけれど、その分、私たち家族ができる範囲で看取り介護をしよう」と思い、一般病棟に残る選択をしました。

コロナで面会制限の中、病棟に入る許可もいただけたので、毎日娘と一緒に会いに行きました。
母の好きだったピアノ曲のCDをエンドレスで流したり、アロマディフューザーで好きな香りを漂わせたり、コーヒーやジュースで口腔ケアをしたり、母の折り紙を真似して色々なキャラクターを作り、ベッドの周りに飾ったりし、寂しくないようにしました。
普段「施設で行っている看取り介護」を病院で出来る範囲で行いました。

毎日面会に行く中で、その日の様子を教えてくれる看護師さん、何も言わないけれど、必要な処置をテキパキこなす看護師さん、忙しく走り回っているのに足を止めて、笑顔で対応してくれる看護師さん、色々な人と接し、普段、施設に来られたご家族へ、自分はきちんと対応できているのだろうかと反省することもありました。

最期の日、母が旅立った後のベッドサイドで、担当看護師さんが、母との思い出や入院中母が言っていた言葉などを話してくれました。また、私達家族が病棟で行った看取りの介護についても、「色々学ばせてもらいました。」と言ってくださいました。
その言葉に慰められ、家族へのグリーフケアについて、私も学ばせてもらいました。

ジョイフル江南では、利用者様やご家族が安心して穏やかな終末期を過ごしていただけるように意向を伺いながら看取り介護を行っています。
コロナ禍で感染防止の観点から面会時にご協力いただいている事柄もありますが、出来るだけ一緒に過ごしていただけるような環境づくりを行っています。

今回患者家族としての体験から、終末期のケアは、本人も家族も「安心できること」が一番大切だと感じました。これからも施設での看取り介護を行う上で、利用者様やご家族に寄り添い、安心していただけるようなケアを行っていきたいと思います。

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