個性とは・・・・
グレイスフル下諏訪老健で理学療法士をしている二ツ木と言います。
突然ですが皆さんは車椅子バスケットボールをご存じですか?
私自身も実際の試合を見るまではなんとくしか知りませんでした。
学生の頃実習で車椅子バスケットボール選手のリハビリテーションを見せて頂いたことがあり
それから興味を持ちました。
車椅子バスケットボールの選手には残された機能によって1人、1人持ち点があります。
出場する選手達の持ち点の合計が定められた点数を超えないようにしなければなりません。
出場している選手は様々な身体機能の選手達です。
例えば、片足を切断した人、片手を切断した人、脊髄損傷などで両足が上手く使えない人。
初めて試合を見た私は衝撃を受けました。
車椅子の激しいぶつかりあい、車椅子で動いているとは思えない程のスピード感。
私は一瞬で車椅子バスケットボールに魅了されました。
その後も何度か試合を見に行ったり、選手の方達とお話をしたり、
リハビリを見学させて頂いたりさせて頂く中で忘れられない言葉があります。
当時の私は選手の方々の気持ちも考えず
「どうして足は切断されたんですが?」「どうして脊髄損傷になってしまったんですか?」
失礼にも聞いていました。私にはまるで足が片方ないこと、足が自由に動かないことはまるで
障害であるとのように。
でもある選手にこう言われました。
「僕たちは自分が障害者だと思っていないよ。僕たちは確かに残された機能で点数をつけられて
ランク分けされるけどこれは僕たちにしかできないスポーツだし、選ばれた人間しか点数付けや
ランク分けはされないし、僕に足がないのは個性なんだよ。」と。
私は自分自身の愚かさになにも言葉が出なくなったの今でも鮮明に覚えています。
私が働いている老健では80名の様々な個性を持った利用者様がいます。
私自身5年間セラピストとして働いていますが、恥ずかしながら今でも
「人が見えていない。」「身体機能ではなくその人を見なさい。」
と指導を頂きます。
もちろんリハビリテーションという言葉は単語レベルでは社会復帰を意味しています。
身体機能面の改善を目指すことが基本だとは思います。
ですが利用者様にとっての個性とは、利用者様にとっての社会とはなんなのか日々考える
ことができる老健で働くことが出来、今では光栄に思っています。
まだまだ知識も経験も少なく頭も足りませんが、これからも利用者様個人を個性を
生かせるようなセラピストを目指しています。