日本ワインのこれから サンサンワイナリー
日本ワインのこれから
現在、日本ではお酒を飲む人が少しずつ減ってきています。健康志向の高まりやライフスタイルの変化など、理由はさまざまです。
そうした中で、お酒を楽しむ人を増やすために大切なのは、単に飲む量を増やすことではないと私は思います。ワインの味や香り、造られた土地、生産者の思いを知り、食事や人と過ごす時間ごと楽しんでもらうこと。それこそが、これからのお酒の楽しみ方ではないでしょうか。
ワインを楽しむ入り口
特に、20歳を迎えたばかりの若い世代にこそ、ワインの楽しさを知ってほしいと感じています。ワインには「難しそう」「何を選べばいいのか分からない」というイメージがあるかもしれませんが、最初から詳しい知識は必要ありません。
赤と白、甘口と辛口、ブドウ品種や産地の違うワインを少しずつ飲み比べてみると、「この香りが好き」「この味は料理に合う」と、自分の好みが自然と分かってきます。お気に入りの一本に出会うこと。それが、ワインを楽しむ最初の一歩になるはずです。
長野県、ワイナリーの躍進
長野県では、2013年に25軒だったワイナリーが、現在では94軒にまで増えました。新しいワイナリーが各地に誕生し、造られるワインの種類や個性も年々豊かになっています。長野県は今、日本を代表するワイン産地のひとつとして、大きな盛り上がりを見せています。
これからの日本ワインに必要なのは、ワイナリーの数を増やすことだけではなく、それぞれの地域やワイナリーが持つ個性を磨いていくことだと思います。
土地に根ざした味わいを追求する
日本は南北に長く、地域によって気候や土壌、栽培されるブドウ品種も大きく異なります。海外の有名なワイン産地を目指すのではなく、その土地で育ったブドウだからこそ表現できる味わいや香りを追求すること。そこにこそ、日本ワインの魅力が宿ると私は考えています。
ワインは、ただ販売するだけのものではありません。その土地の料理と一緒に味わってもらう、実際にブドウ畑やワイナリーを訪れてもらう。そうした体験もまた、大切な価値だと思います。
ワインをきっかけに地域を訪れ、食や景色、生産者との交流を楽しむ。そんな体験が増えていくことで、日本ワインは単なる飲み物を超えて、地域の文化として根付いていくのではないでしょうか。
ブドウがワインになると、花や果実、ハーブ、スパイスなど、実にさまざまな香りが生まれます。ブドウから造られているとは思えないほどの香りが立ち上ること。これもまた、ワインの大きな魅力のひとつです。
同じ品種でも、育った土地や年、醸造方法によって味わいは変わります。だからこそ、飲むたびに新しい発見があるのです。
暮らしを少し豊かにするもの
ワインは嗜好品であり、生活に欠かせないものではありません。それでも、一杯のワインがあることで食事はよりおいしくなり、会話は弾み、時には新しい出会いへとつながることがあります。何気ない日常を、少し特別な時間に変えてくれること。それこそが、ワインの醍醐味だと思います。
サンサンワイナリーから
サンサンワイナリーでも、品種や造り方によって個性の異なるワインを造っています。ぜひ何本か飲み比べながら、ご自身が心地よいと感じる香りや味わいを見つけていただけたら嬉しいです。
一人ひとりが自分らしい楽しみ方を見つけ、その一杯を家族や仲間と囲む。そんな時間が少しずつ増えていくこと。それが、日本ワインのこれからにつながっていくと信じています。
醸造家 田村 彰吾